ルビー(Ruby)

ルビーの赤色は石ごとに微妙に異なる色合いがあり、それぞれに美しい表情があります。
深みのあるビビッドな赤は莟(つぼみ)紅梅(こうばい)色、紫がかったビロードのような赤は紅絹(もみ)色、日没直前」の空を赤紫に染める茜(あかね)色、マゼンタに近い鮮やかな赤は洋紅(ようこう)色(しょく)。
限りなくピンクに近い透明な赤は梅(うめ)重(がさね)色・・・・。
また、赤と云えば口紅のキーカラー、その口紅の赤色選びにも感性鋭い女性たちは色の達人。
その日の装い、心持ち、そしてご自身のテイストと美意識でチョイスして下さい。

ルビーダイヤモンドリング

ルビーのジェムメッセージ

宝石の王はダイヤモンド、ならば宝石の”女王”、それは申すまでもなく「ルビー」です。
本来、無色透明なコランダムという鉱物に、金属元素クロムが微量に混入して、真紅のルビーが誕生します。

どこまでも美しく鮮やかな赤です。
それはクロムという元素が赤いからか、というと決してそうではありません。
では「ルビーは何故赤いのか」――
少々むずかしい話ですが、シリーズの初回に当って、その「何故」を学びましょう。

貴方自身の宝石の色に対する理解が一層深まります。

つまりこういうことです――

クロム元素が偶然取り込まれて微妙に変化したコランダム結晶に白色光が入射する
⇒ あらゆる色の波長を内在した白色光は、この場合に限り赤系波長だけが結晶内に「吸収」され、他色の波長は結晶外に「透過」する
⇒ 結果的に結晶が赤系に着色する
⇒ 鑑賞者がその赤を感知する。

だからルビーの「赤」は、鉱物本来の色ではなく、異元素クロムを取り込んで微妙に変化した結晶の色だったのです。
試しに(大胆にも)、真っ赤なルビーを粉末にしてその結晶状態を破壊すると、何とコランダム本来の色(無色)に戻ってしまうのです(実際は破壊痕のため白色粉末ですが)。

ルビーのマザーオーシャン(代表的産地)

ところで、ジェムクィーンのルビーの中でも最高に格付けされるのは、ミャンマー(旧ビルマ)モゴク産の石と云われます。
スリランカ、タイ、マダガスカル、タンザニア、ベトナム等々、産地としてメジャーな国が居並ぶ中で、ミャンマー産ルビーの価値が突出する理由は、その美しさとクオリティです。
一般に”加熱処理”を施して美しさを確保して来た宝石ですが、モゴク産ルビーだけはナチュラルなのに美しい。
”ピジョンブラッド(鳩の血)”の呼び名は、真紅で透明、しかもナチュラルなモゴク・ルビーにこそ与えられたものです。
そして上述したように、そのナチュラルレッドも様々な赤なのです。また、ナチュラルルビーは特有の赤紫色蛍光性を有するので、自然(太陽)光の紫外線(又は室内紫外線ライト)で赤紫の優しい蛍光を発します。
非加熱ルビーの必須チェックポイントです。

歴史の中のルビー

ルビーは「宝石の女王」と前述しましたが、近世後期になってダイヤモンドがカット(ブリリアントカット)技術開発により王座に君臨する前までは、実にこのルビーが紛れもない宝石の王座にありました。
歴史的な様々な文献、例えば「聖書」や古代ローマ「プリニウス博物誌」等に登場する宝石の最高位は常にルビーでした。
ルネサンス期の名工で貴金属細工の祖とも云われるベンベヌート・チェリーニが書き残した記録に、次のような価格に関する記載があります。
宝石界は圧倒的なルビーの天下だったのです。

・ルビー:800スクード ・ダイヤモンド:100スクード ・エメラルド:400 スクード ・サファイア:10スクード


右:R-0.500 D-0.790
左:R-0.230 D-0.280

SOLD OUT

ルビーのトリビアから

歴史上稀代の宝石コレクターで知られるロシアの女帝エカテリーナII世(1762年即位)に、忠誠の証しとしてスウェーデン王グスタフ・アドルフが贈ったのは極上のルビー。
その美しさが後の両国間に平和を約束したということです。
また、歴史に残るルビーとしては、「ミスター・ルビー」と謂われ英国の名門宝石商にしてミャンマー・モゴク鉱山(上述)開発の父でもあるエドウィン・ストリーターが、1875年自ら採掘してロンドンに持ち帰った非加熱「マンダレールビー」があります。

”至上の赤”と称賛されて特大48.02Ctクッションカットに研磨され、18ピースのダイヤモンドで取り巻く超豪華なブローチになりました(指輪では重過ぎます?)。

後にサザビーズ・オークションで米国大手宝石商に買われ(1988年)、現在はあるセレブの家宝となっています。
そして、映画「プリティウーマン」の中での話ですが、街娼を演ずるジュリア・ロバーツを一夜の相手に選んだリチャード・ギヤ扮する青年富豪が、やがて彼女に真実の愛を抱きます。
実在の宝石店Fred自慢のルビーのネックレスが、そこで重要な脇役を演じます。
街の娼婦から気品に満ちたレディーに見事な変貌を遂げた彼女を表現するには、そのルビーが最も相応しい小道具だったのです。


R-2.050 D-1.720

博物館で出会える有名ルビー

・「モゴク産ルビーの結晶とルース」(各196.1Ct,15.97Ct)-スミソニアン自然史博物館(Washington, USA)
・「ルビーの王冠」(キャスパリー・リーレンダー作)-レジデンツ博物館(Munchen, Germany)
・「ジョン・ラスキン寄贈のルビー」 163.7ct-大英博物館(London, UK)
・「ミャンマー産ナチュラル・ルビー」3.02Ct(リング)-アルビオンアート・コレクション(ホテルオークラ、東京)

ルビーの履歴書

鉱物名

コランダムCorundam

和名

紅玉 (こうぎょく)

組成

酸化アルミニウムAl2O3 + 遷移元素クロムCr

硬度

9

比重

4.00

屈折率

1.762~1.770

複屈折

0.008

結婚石

40年記念石

誕生石

7月

曜日石

火曜

占星石

7/23-8/22

国の石

タイ ミャンマー

その他

「午後5時の宝石」

No.16
PT900ルビーリング
R-1.720ct D-0.670ct
No.194
PT900ルビーペンダント
R-0.789ct D-0.180ct
No.364
PT900ルビーリング
R-1.007ct D-0.830ct
No.365
PT/K14WG ルビーイヤリング
R-1.028ct D-0.570ct、R-1.103ct D-0.570ct